永住者を取得したいと考える方にとって、その内容やメリット、必要な条件は非常に重要です。本記事では、永住者の基本説明から、申請に必要な条件や手続きの流れ、取得後のポイントまで、わかりやすくご紹介します。永住者取得の流れを確認し、必要な準備を整えましょう。
永住者とは?その概要とメリット
永住者は、外国人が日本で長期的に生活するための在留資格の一つで、取得すると滞在期限がなくなり、職業や活動の制限もなくなります。このため、永住者があれば安定した生活が送れるようになり、住宅ローンの利用などもスムーズになるなど、生活の自由度が大きく向上します。多くの在留資格が一定の期間や活動に制限を設けているのに対し、永住者は自由度が高く、日本で長期生活を希望する外国人にとって大きなメリットとなります。
永住者取得のための基本要件
永住者を取得するためには、以下の基本的な要件を満たす必要があります。それぞれの条件について具体的に見ていきましょう。
素行善良要件
- 法律の遵守:過去に犯罪歴がないことが求められます。交通違反や軽度の違反でも、繰り返し発生すると不許可になる可能性があります。
- 社会的信用の維持:日常生活においても、税金や保険料を適切に支払い、法令違反を起こさないことが重要です。
法律を遵守し、日々の生活で社会的な信頼を保つことが永住者取得のための前提条件です。
独立生計要件
- 収入の安定:年収が基準を満たしていることが必要で、扶養家族がいる場合はさらに多くの収入が求められます。世帯の収入を基準に判断されるため、共働きも考慮されます。
- 公共負担の回避:生活保護などを受けず、日常生活で公共の負担とならないことが前提です。
将来にわたり日本で安定した生活が送れる資産や収入が求められます。
国益適合要件
その者の永住が日本国の利益に合すると認められることという条件になり、下記のア~エの4つの項目に分かれます。
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- ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
- イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
- ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
- エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
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アについて:10年以上の継続在留
永住者を申請するには、原則として10年以上日本に継続して滞在している必要があります。この期間中、就労ビザや居住資格(ただし「技能実習」「特定技能1号」を除く)で5年以上滞在していることが条件です。
イについて:素行と公的義務の履行
過去に罰金や懲役刑を受けていないこと、また税金や年金、医療保険の支払いといった公的義務をきちんと果たしていることが求められます。これにより、社会的な信頼性と法令遵守が重視されています。
ウについて:最長在留資格の保持
現在保持する在留資格が、出入国管理及び難民認定法で定められた最長の在留期間であることが条件です。この規定により、安定的な生活基盤が整っていることを証明できます。
エについて:公衆衛生上の問題がないこと
申請者が健康上の問題で公衆衛生に悪影響を与えないことが条件です。具体的には、感染症や薬物依存症がないことが確認されます。
特例が適用される場合
特定の条件に合致する場合、10年在留要件などの一部要件が免除される特例措置があります。下記はその例になります。
- 日本人や永住者の配偶者の場合は、実体のある婚姻が3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していると要件が緩和されます。
- 高度人材外国人として認定された方は、スキルや貢献度に応じて必要な在留期間が3年、または1年に短縮される可能性があります。
- 日本社会への貢献が認められる場合も、5年以上の在留歴で永住者申請が可能です。これには、経済活動や文化貢献で顕著な成果を上げた方が該当します
これらの要件に基づいて、永住許可申請が審査され、日本社会において継続的に安定した生活を送るための資格が認められる仕組みになっています。
永住許可に関するガイドライン(令和6年11月18日改訂)-出入国在留管理庁
永住者取得の申請手続きと流れ
永住者取得の手続きには多くの書類が必要です。事前に準備を整え、スムーズに申請できるようにしましょう。
申請期限について
永住者の申請には明確な申請期限はありませんが、いくつかのケースでは申請期限が設定されることがあります。
- 通常の永住者申請:その他の永住者申請に関しては、通常の要件(在留年数、収入、納税など)を満たす時期を見計らって申請可能です。特に、10年以上の在留歴が必要な場合が多いため、長期在留を意識したスケジュール管理が大切です。
- 出生による特例申請:永住者の親を持つ子どもが日本で出生した場合は、出生から30日以内に申請すれば、特例として永住者資格が認められる可能性があります。これを過ぎると、通常の永住者申請の条件を満たす必要が出てきます。
審査期間の目安
通常の永住許可申請は、申請から結果通知まで4か月程度としています。ただし、申請内容や申請者の状況により、審査が長引く場合もあります。
基本的な必要書類
永住許可申請には、以下の書類が必要です。
在留カード:有効な在留カードのコピー(表裏両面)
パスポート:有効期限内のパスポート全ページのコピー
申請書:出入国在留管理庁が提供する「永住許可申請書」記入済みのもの
写真:申請前3か月以内に撮影した縦4cm×横3cmの証明写真1枚
住民票:最新の住民票(世帯全員分)
納税証明書:過去1〜3年分の納税証明書(市区町村で発行)
収入証明書:過去1〜3年分の所得証明書または源泉徴収票
身元保証書:身元保証人による「身元保証書」とその保証人の証明書類(在留カードまたは住民票、収入証明書など)
上記はあくまで基本的な書類の例です。変更前の在留資格や、家族構成などの他の状況により必要書類は変化します。
自身の状況に応じた必要書類を詳しく知りたい場合は、出入国在留管理庁へご確認いただくか、こちらの相談までお問い合わせください。
永住許可申請-出入国在留管理庁(https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-4.html)
行政書士への依頼のメリット
永住許可申請は、細かな確認や書類準備が求められるため、専門家の支援を検討すると良いでしょう。
永住許可申請を行政書士に依頼することで得られるメリットには、手続きの効率化と成功率の向上、そして専門的なサポートが含まれます。以下に具体的な利点を説明します。
- 書類作成の正確さと効率
行政書士は永住者申請に必要な書類やその内容について深い知識があるため、申請書の作成から提出までをスムーズに進められます。自力での申請と比べてミスや不備が少なく、書類の不足で申請が遅れるリスクも低減します。
- 出入国在留管理局での窓口対応の代行
申請取次行政書士に依頼すると、申請者本人が入管窓口へ出向く必要がなくなり、平日に時間を取る手間を減らせます。また、入管との連絡や審査状況の確認も代行してもらえるため、進捗が見えやすいです。 - 許可率向上のサポート
行政書士は審査のポイントを熟知しており、必要な書類や記載内容を最適化できます。申請書や理由書の記載内容を、永住者取得の基準に合わせて正確に準備することで、不許可リスクを減らし、許可率の向上が期待できます。 - 精神的な安心感
複雑な手続きを専門家に任せることで、申請者は手間や心理的ストレスを大幅に減らせます。申請に関する疑問や不安がある場合も、経験豊富な行政書士に相談できるため、安心して申請を進めることができます
専門家に依頼することで、手続きが迅速に進み、申請の成功率も向上します。
永住者取得後の生活と注意点
永住者を取得しても、在留カードの更新や再入国許可の手続きが必要です。これらの手続きを怠ると、永住者を失うリスクがあるため、適切な管理が求められます。
在留カードの更新と再入国許可
- 在留カードの更新:永住者であっても、在留カードには7年の有効期限が設けられています。更新を怠ると永住者が失効するため、更新期限を確認し、必ず日本国内で更新手続きを行いましょう。更新手続きは有効期限の2か月前から可能です。
- 再入国許可:1年以上の海外滞在を予定している場合、再入国許可が必要です。再入国許可を取得せずに長期海外滞在すると、永住者が無効となるリスクがあります。短期間の出国であれば「みなし再入国許可」が適用されますが、出国前に確認することが重要です。
永住者取り消しのリスクと注意点
永住者は一度取得しても、以下の理由で取り消されることがあります。
- 長期の不在:再入国許可を得ずに1年以上海外に滞在する場合、永住者が失効するリスクがあります。
- 法令違反:重大な犯罪や税金未納、社会保険料未払いなどの法令違反があると、永住者が取り消される可能性があります。
永住者を維持するためには、日本国内での生活ルールを守り、手続きを適切に行うことが大切です。
まとめ
永住者を取得すると、日本での滞在が無期限になり、職業や活動の制限もなくなるため、生活の自由度がぐっと広がります。これにより、長期的に安定した生活が可能になり、社会的な信用も高まるため、住宅ローンを組むことなども簡単になります。
永住者を申請するには、10年以上日本に住んでいること、安定した収入があること、税金や年金を適切に支払っていることが必要です。特別なケースとして、日本人の配偶者や高度なスキルを持つ人には一部条件が緩和される場合もあります。
申請には書類の準備が必要で、審査には通常4か月ほどかかります。永住者を取得した後も注意点はありますが、日本での活動はとりも自由になります。
永住者は取得条件が厳しい反面、取得できた場合のメリットも大きい在留資格になります。